練習 16.5
課題文
πολλάκις χαλεπόν ἐστι τῶν ἀληθῶν τὰ ψευδῆ χωρίζειν.
語彙
文中の語 | 見出語形 | 品詞 | 変化形 | 主な意味 |
πολλάκις | πολλάκις | 副詞 | この語は変化しない | しばしば |
χαλεπόν | χαλεπός | 形容詞 | 中性/単数/主格 | 困難な, 耐え難い |
ἐστι | εἰμί | 動詞 | 三人称/単数/現在/直説法/能動態 | ~である, 存在する |
τῶν | ὁ | 定冠詞 | 中性/複数/属格 | ἀληθῶνにかかる |
ἀληθῶν | ἀληθής | 形容詞 | 中性/複数/属格 | 真実の |
τὰ | ὁ | 定冠詞 | 中性/複数/対格 | ψευδῆにかかる |
ψευδῆ | ψευδής | 形容詞 | 中性/複数/対格 | 偽りの |
χωρίζειν | χωρίζω | 動詞 | 不定詞/現在/能動態 | 分離する, 分ける |
脚注
τῶν ἀληθῶν 「真実から」(分離の属格, genitive of separation)
出典と翻訳
不詳。
メモ
ἀληθῶνとψευδῆが§85でその変化を見た-ής, -ές型の形容詞で、ἀληθῶνとψευδῆの形を正しく把握することが、この課題文の趣旨であると思われる。
このとき定冠詞τάはχωρίζεινにかかっている。 確かに不定詞を名詞的に扱う時は中性として扱うが、数は単数なのでχωρίζεινにかかっているとは取らない。
ψευδῆはχωρίζεινの目的語となっていると考えている。 不定詞の主語も対格で表される(そして中性なので形は同形)が、ここではその考えを採らない。 その理由は、文の流れから「ψευδήςがχωρίζωすること」と読むと、意味が通らないように思えるからである。
つまり文の最も基本的な構造は、χωρίζεινはχαλεπόςである(εἰμί)。 そこに細かいディティールが加わって、結局は、しばしば(πολλάκις)ἀλητής(定冠詞をつけて名詞化している)からψευδής(定冠詞をつけて名詞化している)をχωρίζωすること(恐らくは主語)はχαλεπόςである(εἰμί)、と読むのが素直な読み方であるように思える。
まとめると、「しばしば(πολλάκις) ἀληθής(とされる)ことどもから(分離の属格, 脚注参照) ψευδής(であろうと思われる)ことどもをχωρίζωすることはχαλεπός(なこと, 不定詞と性/数/格を合わせている)である(ἐστι)」くらいの内容が、本課題文の文意と思われる